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DaiChanのブログ

文系大学生DaiChanの雑記ブログです。

オススメ本紹介(2) 姜尚中『悩む力』

おはようございます。久しぶりの投稿になってしまいましたが、今日は本の紹介をしようと思います。

 

今回紹介する本は、

 

姜尚中(2008)『悩む力』集英社新書、です。

 

2008年の出版ですので、特に新しい本というわけではありませんし、すでに優れた書評がいくつも出ているのですが、僕は前から良い本だと感じていて、いつかは紹介してみたいと思っていたので、この機会に書こうと思います。

 

この本はタイトルにも表れている通り、悩むことについての本です。

 

前回投稿した記事と内容がけっこう似ています(笑)。実は、僕が前回投稿した記事はこの本からアイデアを得て書いてみたものです。 

 

1、著者について

 

 著者の姜尚中は、ナショナリズムや政治思想史を専門とする政治学者で、特にアジア地域主義論や日本の帝国主義を対象としたポストコロニアリズム研究を行っている方ですが、学生時代から夏目漱石マックス・ウェーバーに傾倒しており、そのことが彼の人格形成に深い影響を及ぼしているようです。

 

2、簡単な内容紹介

 

 「情報ネットワークや市場経済圏の拡大にともなう猛烈な変化に対し、多くの人々がストレスを感じている。格差が広がり、自殺者も増加の一途を辿る中、自己肯定もできず、楽観的にもなれず、スピリチュアルな世界にも逃げ込めない人たちは、どう生きれば良いのだろうか?・・・(中略)・・・現代を代表する政治学者の学識と経験が生んだ珠玉の一冊。生まじめで不器用な心に宿る無限の可能性とは?」(表紙内側より抜粋)

 

 上記のような言わば現代的な問題に関して、著者は自我や価値観、市場経済、消費社会、情報社会など幾つかの補助線を用いつつも、主として漱石ウェーバーの生き方をヒントに答えを見出すことを試みています。

 

3、コメント

 

 最後まで「悩み」を手放さない。そのことによって真の力を掴み取る生き方。幾つかの論点が提示されていますが、本書において一番強調されていたのは、大体そのようなことです。

 

 また、漱石ウェーバーを用いて議論を進めるという著者独特の論理展開にも注目です。猛烈な勢いで近代化が進行する時代を生きた、漱石ウェーバー著作を、「悩む」ということを主要な問題関心に据えながら読み解いていくというのは、とても面白い試みだと思います。

 

 自らの人生について迷いや悩みがある方にオススメの一冊です。この本を読んでいただければ、悩んでいる自分をもっと肯定できるのではないかと思います。

 

 「悩む」ということを放棄するのではなく、苦しみをしっかりと抱えながら生き続ける。多くの人々が、様々な困難を抱えながら生きざるをえない中、抱えている困難を解決できないということに絶望したくなる状態で、悩んでいる自分を肯定出来るかどうかということは、実はすごく重要なことなのではないかと思います。

 

 ちなみに、この本には続編があります。機会があれば、続編も紹介したいと思います。